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車いすの基本的な介助方法

車椅子のイラスト

車椅子を利用するときの注意点

歩くことが困難なお年寄りにとって、車椅子は移動になくてはならない介助道具です。
しかし、車椅子での事故は案外多いのです。
正しい方法で操作しないと、介護を受けている人はもちろんのこと、介護をしている私たちもケガをする恐れがあります。

車椅子で介助をする場合は、次の点に注意するようにしましょう。
車椅子で外出するときは、体調に十分に気をつけて無理をさせないようにしてください。
冬など寒い場合はひざ掛けなどを用意して、なるべく快適に過ごせるように工夫しましょう。
介助者はスニーカーにズボンなど動きやすい服装で。アクセサリーは肌を傷つけることなどがありますから、外しておきます。

また、体に麻痺があるなどで、まっすぐの姿勢が保てない場合は、体が傾く側にクッションを当てるなどして、姿勢を保てるようにしてあげてください。

また、車椅子を押して移動する際は、自分が歩く速度よりも気持ちゆっくりを心がけましょう。
車椅子に乗ると視線が低くなるので、立っているときよりもスピードを感じますし、道路の振動がダイレクトに伝わって衝撃を感じやすくなります。
また、介助者の動きが見えませんから、段差の移動や止まるときなど、何らかの行動を起こすときには、事前に声をかけることも大切です。

車椅子の操作方法

車椅子を利用する前には、安全確認を怠らないようにしましょう。
ブレーキがスムーズかつ確実に動くか、タイヤに空気が十分に入っているかを確認してください。
タイヤ圧が低いと、ブレーキが利きにくくなるので危険です。
このほかシートや足を乗せる部分、各部品を止めているネジ類などにも問題がないかチェックして、安全を確認してから使用しましょう。

安全確認が完了したら、実際に操作していきます。
操作のポイントでは、次の点に注意しましょう。
立ったり、座ったりの移乗時には、必ずブレーキをかけること。
移乗時にブレーキをかけて車椅子を固定していないと、転倒などの原因になります。

下り坂の道では後ろ向きになって、さらにゆっくりと進むようにします。
砂利道などでこぼこが多い道も、後ろ向きで進んだほうが、タイヤが砂利などに埋まりにくくなります。

横断歩道など段差があるときも、ゆっくりと操作しましょう。
段差が1段だけの場合は、ティッピングレバーを踏んで、手持ち部分を押し下げるようにすると前輪が持ち上げて、段差の上にゆっくりと載せるようにしましょう。
その後、車椅子をゆっくりと前に進めて後輪も段差に付け上げるようにします。

段差を降りる時は後ろ向きになり、後輪をおろします。
その後ティッピングレバーを踏んで前輪を浮かせながら、ゆっくりと後ろに下がって前輪も下におろしてください。

階段など2段以上の段差がある場合は必ずブレーキをかけ、2人~4人でハンドル部、アームレスト部、後輪、フットサポートパイプなど、車椅子の前後の部分を持ち上げて、車いすを水平にキープしながらゆっくりと移動します。

車いすの移動はお年寄りにとって、不安に感じることが多いので、お年寄りの気持ちにたって操作することが大切です。
わずかな段差、ちょっとしたスピードでも、実際以上に負担に感じます。
こまめに声をかけながら、なるべくゆっくりと動作するように心がけましょう。